八丈ぐらし

明日葉のすべて — 島の食材を味わう

八丈ぐらし編集部

明日葉のすべて — 島の食材を味わう

八丈島を歩いていると、道ばたや畑のあちこちで、つやのある濃い緑の葉に出会います。これが島を代表する特産、明日葉(あしたば)です。セリ科の多年草で、古くから島の暮らしに根づいてきた、まさに八丈の食卓の顔ともいえる存在です。

名前の由来は、その旺盛な生命力にあります。「今日新芽を摘んでも、翌日にはまた新しい芽が出てくる」といわれるほど強く伸びることから、明日葉と呼ばれるようになったと伝えられています。八丈島では「八丈草」という別名でも親しまれ、島の人々にとって身近な緑です。

明日葉の魅力は、なんといってもその独特のほろ苦さと、爽やかな風味。この個性が、いろいろな料理でぐっと引き立ちます。定番は、若葉をさっと揚げた天ぷら。油との相性がよく、苦みがまろやかになって、初めての方にもおすすめです。ゆでておひたしにしたり、島ならではのくさやとマヨネーズで和えたりと、家庭の食卓でも活躍します。

加工品のバリエーションが豊かなのも、明日葉ならでは。鮮やかな緑色をした明日葉そばやうどん、手軽に楽しめる明日葉パウダーやノンカフェインの明日葉茶、さらにはチーズケーキやソフトクリーム、生八ッ橋といったスイーツまで、島のあちこちでその緑に出会えます。栄養豊富な島の野菜として、古くから親しまれてきました。

生葉や苗、粉末やお茶などの加工品は、あしたば加工工場や八丈島農業協同組合の店舗などで手に入り、島の宿や飲食店でも味わえます。旅の途中でぜひ、この島の緑をお皿の上で味わってみてください。今日も明日も芽吹きつづける明日葉は、八丈島の暮らしそのものを映す、味わい深い一皿です。